「後継者がいない!」大丈夫。会社の「ざっくり査定」が解決の糸口

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いよいよこれから、寒さが本格化してきます。
まだコロナ禍の中です。
冬に向けて、体をいたわってあげましょうね。

さて、今回は、後継者のいない社長へのメッセージ。
「事業承継を成功させるために、まずは会社の価値を査定しましょう」というお話です。

問題を先送りする前に、真っ先にやるべきこと

私は1年かけて同業社に会社エグジット(売却)しました。

それ以前に、3年かけてベテラン社員を対象に事業承継をしようとしましたが、まったくうまくいかず、その結果、5人の社員が会社を去っていきました。

ここで得た教訓は「後継者を育成するなら10年かけよう」というものでした。

後継者のいないあなたの場合、どうでしょうか?

私の経験で言えば、大きな選択肢としては、後継者を決めて10年かけて育成するか、短期間で会社をエグジットするかの二択です。

後継者のいない社長が世の中の6割、そして社長の6割が60歳以上という現状の中、待ったなしに見えます。

2025年に中小企業の3分の1,127万社が廃業し、650万人の失業者が発生すると経産省も警告を鳴らしています。

今も黒字廃業が半数を超えていると言いますから、「後継者不在」は大きな社会問題といっても過言ではありません。

もはや問題の先送りはできない現状にあります。

うれしい驚き。たとえ赤字でも会社の価値が高いことがある

後継者育成か会社エグジットかの二択のどちらかを選べと言われても、はっきり言ってしんどいですね。何から着手していいものか考えあぐねてしまうのではないでしょうか。

結論から言いますと「まずは会社の価値を査定しましょう」ということです。

理由は3つあります。

  • 会社の価値をお金に換算した時に、事業承継に関してリアルな問題として迫ってくる
  • リアルな現状を突きつけられれば、課題が明確になる
  • これから社長としてどんな行動を取ればいいかが明確に描ける

以下に、2つの事例をピックアップさせていただきます。

ひとつ目。
私の知人で、飲食チェーン店を経営していた社長がいました。

たまたま同業からM&Aの提案があったときに、最初は会社エグジットする気はなかったのですが、自社の査定額が思った以上に高い事実を目の当たりにし、会社エグジットしたという事例があります。

彼は今、飲食コンサルタントとして自由に楽しく飛び回っています。
査定をしたからこそ、芽生えた決意でした。

ふたつ目。

2年間ほど赤字が続き、後継者もいないので会社エグジットしようと考えていた方がいました。ところが、赤字続きで借金もあるので買い手はつかないと最初は思っていたようです。

ところが、顧問税理士と会社の価値を査定して驚いたのです。

会社の資産に社員や顧客の無形資産(のれん代)を加えると、赤字と借金を相殺してもプラスの価値になったのです。

自信を持ったその社長は、自ら音頭を取り、プロの税理士を相棒として、1年後、会社エグジットに成功しました。

まずは社長自ら「ざっくり査定」。そしてプロの「しっかり査定」

査定の仕方は至ってシンプルです。

私の場合の計算式は、次のようなものです。

現在の純資産(B/S)+3~5年分の将来利益(P/L)+のれん代(人材・顧客・特許などの無形資産)

これが社長自身行う「ざっくり査定」です。

これを顧問税理士などのプロにお願いして「しっかり査定」してもらいました。

私の場合、大きなズレはありませんでしたから、「ざっくり査定」は、会社エグジットする上での大きな自信につながりました。

査定で「会社の将来」を決められたら、事業承継の7割は成功

後継者を育てるか会社エグジットするかは、最終的に経営者個人でしか決めることはできません。

その背中を押してくれるのが、実は会社を査定することだったりするのです。

私の場合、「ざっくり査定」「しっかり査定」によって会社の価値に自信を持ってからの動きは違うものになりました。

後継者の育成に失敗したあとだったこともあり、ある意味どん底の状態にあったのですが、会社を査定することで、会社エグジットに切り替えることができたのです。

そして、次の3つの行動をとることができました。

・自ら旗振り役になり、顧問税理士に相棒になってもらって物事を進めることができた
・提案書、契約書のひな型などは、こちら側が主導となって進めることができた
・紆余曲折はありながらも、短期間で契約にこぎつけることができた

もちろん、会社の査定によって、もっと会社の強みをつくってから会社エグジットしよう、10年かけて後継者を育成しようと考える経営者もいることでしょう。

私はそれでいいと思います。

「会社のこれからをどうするか」を決めることができれば、事業承継の7割は解決したと同じだからです。

さあ、まずは「ざっくり査定」から始めてみましょう。

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