売上が利益に変わる仕組みを、まずは、おさらい。
会社の営業利益は、平均するといくらになると思いますか?
売上高―売上原価(仕入)=売上総利益
売上総利益—一般管理費=営業利益
顧客から売上を上げ、仕入先に代金を支払い、人件費などの経費を引けば、営業利益が出ます。
その利益が売上高に占める比率は以下のようになります。
営業利益÷売上高×100=売上高営業利益率
さて、業界別に中小企業の利益率を見てみましょう。(商工業実態基本調査/経済産業省)
・製造企業——4,0%
・卸売企業——1,5%
・小売企業——3,5%
・飲食企業——11,4%
上記のように、業界によってバラつきがあります。
業界内の企業間でも、商品や営業方法などによってもバラつきがあります。
当然ですが、なるべく利益率は高く設定したほうがいいですね。
キーワードは「8%の利益」。希望の年を迎えるために、社長は走る。
バブル・ショックから立ち直りかけたころ、私は先輩社長のメンターに、こう教えられました。
「12月は師走と言うだろう。社長も走らなければいけない最終月なんだよ」
と前置きした上で、
「11月までにトントンにしておく。そうすれば、最終月の売上がそのまま営業利益になる。そして、税金を払って社会貢献する。残ったお金は、将来の会社の備えとして貯金と投資に回し、決算賞与で社員の意欲を引き出す。それが健全経営というものだよ」
つまり、最終月の売上を、まるまる利益にしようというわけです。
1カ月の売上÷12カ月の売上×100=8,33333・・・。
その前の11カ月間で、営業利益をプラスマイナス0にするといいよ、ということです。
そして、最終月に目いっぱい走って売上を上げれば、1年の利益率は8%になるよと、私の師は教えてくれました。
8%——1億円の年商なら800万円の営業利益です。
10%なら、1000万円です。
「利益からの売上」逆算法で安心経営。
私はその後、先輩社長の教えに従い、売上主義から営業利益率8%を目指す健全経営に切り替えました。
・経費を抑え、
・トップアプローチ営業で売上の底上げを図り、
・リピート率向上に力を注いで、
・利益の安定化を図っていきました。
最終的に8%は達成できませんでしたが、常時6~7%の営業利益率にすることができました。
8%を目指して明らかになったことは、資金面に余裕ができ、将来への不安から解放されたことでした。
どうですか?なかなか現実的な数字と思いませんか?
参考にしてみてください。
――人間にとって最高の幸福は、1年の終わりにおける自己を、その1年の始めよりも、はるかに良くなったと感ずることである。(レフ・トルストイ/ロシアの作家)
☆社長の心構えについては、コチラをお読みください。↓