「売上至上主義」は会社をつぶす。経営は「利益」が最優先

money-profit

売上№1を取れば出世できる時代は終わった

今からちょうど30年前、1991年の平成3年、バブルが弾けました。
起業してから3年目のことでした。

当社は同業の中で、いちばん先に経営危機に陥ってしまったのです。

バブルが弾けて日本経済が傾いたことも原因ではありますが、ふり返ると、もっと大きな原因は、サラリーマン時代にありました。

起業する2年前のことです。
私は、名古屋で営業所長に昇進していました。
東海地区で1年間、ナンバー1の売り上げを上げていたことが昇進の理由でした。

まずは何をおいても実績評価の時代だった、ということも背景にはあります。
同僚よりも早めに昇進していたからです。

私はこの時、ある錯覚を起こしていました。
売上を上げればいいという、売上至上主義に陥っていたのです。

営業所長になったら、今度は営業所の売上で地域ナンバー1を目指しました。

そのためには人材の採用が急務。そう考え、どんどんアルバイト採用をしていったのです。営業所長の権限で、社員採用はできませんでしたが、営業所の経費でアルバイト採用はできたのです。

結果、売上ナンバー1になることはできましたが、利益は出せず、大きな赤字を抱えてしまいました。売上を上げることだけに専念してしまったからです。

赤字になった理由は明確です。
人件費が重くのしかかったのです。

幸いなことに(後々を考えれば、逆に残念なことに)、私は評価されました。
営業部全体が黒字だったこともあります。
私の営業所の売上数字が全体売上をけん引したことが評価につながったのです。

「今度は利益も出せよ」

営業部長から、そう釘は刺されましたが、私にとっては馬の耳に念仏でした。

(売上さえ上げればうまくいく)

サラリーマン時代に、損益計算書で経営の疑似体験をしておくこと

起業後も、私の志向は変わりませんでした。

地域で一番の売上を誇る、ナンバー1の会社にすること。それが目標でした。

売上を上げるために、顧客からの入金を分割して便宜を図ったり、目標数字をクリアするために無理をしたり・・・。

さすがに赤字だったら会社は潰れるという意識は働き、利益が出るようには配慮したつもりですが、あくまでそれは、どんぶり勘定をもとにしたものでした。

その結果、バブルが弾けた時、真っ先に会社を傾かせてしまったのです。
ギリギリのところで踏ん張り、倒産を免れることはできましたが、ヒヤヒヤものでした。

その時の教訓は、「長く経営するなら、あくまでも利益をベースにした経営をすること」。当たり前のことではありますが、これを忘れると会社をつぶしかねません。

サラリーマン時代に、損益計算書をもとに、利益を上げるための方策が考えられるようにならないと、私のような危機を経験することになります。

今さらながらですが、「売上至上主義」は危険なのです。
「利益優先」の経営に180度変えるべきでしょう。

サラリーマンでいる間に、自分の部署や自分の働きによる損益はどうなのか、どうすれば利益を出せるのか、実際に損益計算書をもとに、経営の疑似体験をしておくことをお奨めします。

◇起業するかどうか悩んでいるあなたにこの1冊。
「失敗しない起業の法則37」↓

https://amzn.to/30CXbu6