「事業承継」の『決め時』のベストタイミングは「○○」前

best-timing

人間には『決め時』というものがある

今回は、私の起業した時と事業承継した時のお話をしたいと思います。

私は30歳で起業しましたが、「なぜ起業したの?」と質問されると、

・それまでに在籍していた会社に急激な変化が押し寄せてきたから
・30歳という区切りのいい年齢だったから
・世の中に貢献したかったから

そんな理由を挙げてしまいますが、実は自分にとって、これはとても答えにくい質問なのです。

「どうしようもなく起業したかったから」

ひと言で理由を挙げるなら、そうなります。
それがその時の心境だったからです。

でも、そう言ってしまうと相手を困らせてしまいますから、その当時の具体的な状況(立場、環境、出来事、将来構想など)をもとに話すようにしています。

もちろん嘘はありませんが、あくまで「後づけ」の理由になってしまいます。

起業は「自分ひとりの決断」。それが経営者へのパスポート

理由はどうあれ、人には『決め時』があります。

当時、親、親族、上司など、周りの人たちにはことごとく反対されました。
私の身内には、ひとりを除いて経営者はひとりもいませんでした。

そのひとりも、最終的には経営がうまくいかず、その本人から止めるよう連絡があったほどです。

起業を肯定してくれる知人にも、「やるなら、事前に経営を学んでからにしたら?」と、スグ起業することには反対のようでした。

身内や知人のいうことはもっともです。

私も2020年に「失敗しない起業の法則37」という書籍を電子出版したぐらいですから、今の私なら「短期間でいいから、準備は怠らず」と、かつての自分にアドバイスするでしょう。

起業することに当然、不安はありましたから、身内や知人からストップがかかると、心は正直揺れまくりました。

でも、心の奥底から声が聞こえるのです。

(それじゃタイミングを逃すよ。やるなら今だよ)

そして、反対されればされるほど依怙地になるという自分の性格も手伝い、反対を押し切って、無謀にも起業することにしたのです。

確かに、もう少し事前に学んでおけば良かったと思うことは、起業後たくさんありましたが、後悔したことはありません。

なぜなら、自分にとっては、その時が『決め時』だったからです。
周りの意見を聞いて先延ばしにしたら、きっと後悔していたでしょう。

経営者のいちばんの仕事は『決断すること』です。

あの時ひとりで決断できたことが、起業後の経営に好影響を与えてくれたことは間違いありません。自分の決断に責任を負うのは結局自分であるということを、起業する時に刷り込まれていたからです。

経営者のいちばん大きな『決めごと』は「○○○○」

ところで、経営者のいちばん大きな『決めごと』は何だと思いますか?

それは事業承継です。

そして、これも『決め時』が大切になります。

私の場合、事業承継する5年前に、会社を次の人間に引き継ぐ決断をしました。
起業する時とは違い、

・誰に承継するのか?身内か第三者か?
・社員や取引先などの利害関係者に迷惑をかけない事業承継とは?
・どれぐらいの時間をかけるか?

考えることはたくさんありました。
事業承継後の自分の人生を描いておく必要もあります。

実際はどうだったか。

身内(親族、社員)に対する後継者育成に3年かけたものの失敗。
その後、1年かけて第三者に事業売却しました。

起業してからほぼ30年の年月が流れていました。

後継者育成なら10年、事業売却なら1~3年。ゴール設定しよう

ところで今、どれ位の企業の経営者が、事業承継に悩んでいると思いますか?

「後継者不在」の中小企業は全体の3分の2。
しかも、60歳以上の経営者は全体の6割です。

圧倒的多数が、事業承継に悩んでいることになります。

戦後のベビーブーム世代(団塊の世代:70歳代前半)が現場を卒業するのが2025年前後。この時に中小企業の3分の1、127万社が廃業する可能性があります。しかも、その半分の60万社が「黒字廃業」と言われています。原因は「後継者不在」です。(経産省調査)

私も経験したように、確かに事業承継に悩みはつきものです。

でも、手をこまねいていてはタイミングを逃してしまい、黒字廃業を余儀なくする可能性があるということです。

後継者のいない経営者に言いたいこと。

それは、今が『決め時』だということです。
そして、ゴール設定しましょう。

それがなければ、事業承継はなかなかできません。

後継者候補がいたら10年かけて引き継ぎしましょう。
(私は3年という中途半端なゴール設定をして失敗しました)

後継者がどうしても見つからなければ、第三者への事業売却(会社エグジット)を考えましょう。細かいことを抜きにすれば、ゴール設定は1~3年でしょう。
(くわしくは、本年出版した「愛の会社エグジット」に記してあります)

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入口と出口。起業と事業承継は、『決め時』が大切というお話でした。
もちろん、準備の時間はしっかり取っておくをお奨めします。

ところで、「事業承継」のベストな『決め時』はいつだと思いますか?
「起業」前です。

そうすれば、ゴール設定から逆算して計画を立て、起業できるからです。
後継者問題で悩む必要もなくなります。

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