同じ場所で、少人数で切磋琢磨しながら、夢をカタチにしようというお話です。
私がずっと過ごしている名古屋には、かつて日本を統一した三英傑がいました。
くわしい話は歴史家にお任せしますが、信長がいて、秀吉がいて、家康がいて天下が取れたのは事実です。
信長を見て秀吉が、信長と秀吉を見て家康が、いいところは吸収し、悪いところは反面教師にして成長していける土壌があったのです。
3人が同じ場所にいたからこそ、できた学びです。
その学びは、敵を打ち破る知恵となり、その結果、天下を取ることができました。
そして、強い人間関係のしがらみの中で、トップが入れ替わっていきました。
もし、秋田で秀吉が美味しいお米を作っていたら、もし家康が毛利の人質になっていたなら、3人は同じ場所で切磋琢磨することはありませんでした。
近いところで人間関係をつくっていたことが、結果、日本統一につながったということです。
昭和の時代に戻ります。
池袋の「ときわ荘」に、赤塚不二夫を初め、その後、有名になった漫画家が集結した時期があります。
もし、それぞれの場所で漫画家を夢見ていたら、ああはなっていなかったでしょう。
夢を実現するなら、自分の周りに自分以上の、あるいは自分と同等のライバルをあえてそばに置きましょう、ということです。
——これでいいのだ—— (赤塚不二夫)